黒いソケットは何が違うのか(インパクト用ソケット)

DEEN 1/2SQインパクトソケットセット
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ソケットといえば、銀色にメッキされたソケットをイメージされることが多いかと思いますが、
見た目の違う真っ黒な「インパクト用ソケット」がございます。
同じサイズのソケットでも用途が変わるためその違いを把握していきましょう。

「ハンドツール用」と「インパクトレンチ用」

一般的に銀色のメッキ(クロームメッキ)が施されているものは、ラチェットハンドルやスピンナーハンドルなど手動で使う、いわゆる「ハンドツール用」として使われています。

一方で黒いソケットはエアインパクトレンチや電動インパクトレンチといった動力を使う「インパクトレンチ用」ソケットとして分類されます。

ハンドツール用のソケットは基本的に締め付け・取り外しを行う際にソケットが割れないよう硬く作られています。
それならハンドツール用ソケットとインパクトレンチを組み合わせても使えそうですが、
インパクトレンチは先端が高回転で回る上に打撃を加える構造なので、
ソケットが硬くても衝撃によってメッキが剥がれたり割れたりといった問題が発生します。
インパクトレンチ用ソケットはインパクトレンチでの使用に耐えるため
ソケットの外寸をハンドツール用ソケットに比べ割れにくいように肉厚に作られています。

また耐久性を上げるためにハンドツール用ソケットに対し粘り強さを上げるなど、メーカー独自の硬度に調整されています。
表面の処理もメッキ剥がれを防ぐために「リン酸被膜処理」や「無電解めっき」というハンドツール用ソケットと異なる表面処理で防錆対策を施しています。

またソケットをレンチ側に接続する方法が異なります。
ハンドツール用ソケットはソケット内側の窪みにラチェットハンドル等の差込み側にあるボールがはまることでしっかり保持されます。

一方インパクトレンチ用ソケットは、インパクトレンチ側の仕様に
・先端がリテーナーリングになっているもの
・先端に穴が開いているもの
上記のものがあります。

リテーナーリングが入っているものはそのままソケットを差し込めば保持されますが、
穴が開いているだけのタイプは差し込んだだけでは保持されません。
インパクトレンチ用ソケットにも側面に穴が開いており、リテーナーリングやボールがない代わりに
ソケットとレンチの穴にピンやOリングで差し込み保持できるようになっています。
これにより高回転でソケットが回っても脱落しません。専用ソケットならではの仕様です。

どのように使い分けるか

それぞれのソケットの使い分けは上記にあるようにまずソケット側とレンチ側の組み合わせである程度限定されます。
つまりラチェットハンドルのようなハンドツールを使うシチュエーションかインパクトレンチを使うシチュエーションかが大事です。
インパクトレンチを使いたいということは固く締まったボルトがあるためよりパワーを掛けて外したい、
そのようなボルトが何十本もあってスピーディーに片づけたい、という状況が考えられます。
DEEN 1/2sqツインハンマーインパクトレンチ
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一方でボルトの付け外しに大きな肉厚のインパクトレンチ用ソケットではアクセスできない場所や、ボルト付け外しに大きな力が必要ない状況であれば、同じボルトサイズで外寸のコンパクトさ、重量の軽さで有利なハンドツール用ソケットとハンドツールを用いる事で作業効率も上がります。

まとめ

同じサイズのソケットでもインパクトレンチを使う、ハンドツールで作業する、といった条件からそれぞれの専用ソケットを選んでください。
ハンドツール用ソケットをインパクトレンチに使用するとソケットが破損したり、それによって作業者が怪我をしたり、ボルト側が傷んだりする原因となります。
それぞれの専用ソケットを使用することによって快適かつ安全に作業が出来ますので、ハンドツールにはハンドツール専用ソケット、インパクトツールにはインパクト専用ソケットをお使いください。