ハーフムーンレンチは何でこんなに曲がっているの?

メガネレンチは作業内容に応じて様々な派生モデルがございます。

その中でも一際目立つ形をしているのが「ハーフムーンレンチ」

通常の作業では使わないであろうことは何となくイメージできそうですが、実際どのような作業に使い、作業が行いやすくなるのかを紹介していきます。

障害物を避ける

「工具の曲がり」はおおよそほとんどの物が何らかの障害物を避けるためのものですが、ハーフムーンレンチも同じく障害物を避けるために進化したレンチです。

ユーザーからの使い所を伺うと、ボルトの周囲に障害物があって一般的なスパナ・メガネレンチではアクセスしづらい場合やボルトを回す際に障害物があるせいで締め切られないような入り組んだ環境で活躍するということでした。

また通常のレンチ類とは異なる方向へ本体が伸びていることで、ユーザーによっては返って持ちやすくなったり力を掛けやすくなったりという効果も生まれるようです。

個人的には設備関係のメンテナンスでボルトの周囲が窮屈でショートサイズのレンチしかアクセスできなさそうなのにボルトサイズは大きく、ある程度力を掛ける必要がある所で活躍してくれると仰っていたのが印象的でした。

単純に狭い場所での活用といっても最初からハーフムーンレンチを選択するのはその便利さを体感するのは一度使ってみないと難しいかもしれません。

まずはハーフムーンレンチの形状でないと作業できないような場面から使っていき、他の場面でも活用できないか考えてみましょう。

二種類使うとなお便利?

ハーフムーンレンチは主要な工具メーカーから販売されていますが、その形状も少しずつ異なります。

スナップオンのハーフムーンレンチは本体が左右対称なのに対し、neprosやスタビレー、HAZETなどは左右非対称の仕様です。

ネプロス 【レンチ】ハーフムーンレンチセット(4本組)

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これはメーカー内でハーフムーンレンチの1サイズ(例えば10mm)に対し2種類の曲がり角度の設定になることで更に微妙なアクセスに対応でき、その2種類のハーフムーンレンチを交互に使うことでレンチの振り幅が取れない環境でも少しずつ回していく事が可能になります。

ハーフムーンレンチの曲がり具合はメーカー毎でも異なるので、ワンメーカーだけで揃えるのではなく複数メーカーのデザインから組み合わせて使うことで更に便利に作業できるかもしれません。

ハーフムーンレンチの仲間

ハーフムーンレンチのような曲がり方のレンチは他にもいくつかあります。

ASAHI 片口めがねレンチ

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ASAHIのメガネレンチはメガネ部分が片側だけで40度カーブしていますがこれがメーカーのスタンダードレンチです。

前項に書いたように曲がり具合がハーフムーンレンチと異なるので組み合わせ次第で作業困難なボルトもスムーズにアクセス・作業が行うのに使えます。

また10mmからJIS規格に沿って最大85mmまで揃う豊富なラインナップで対応しているのも特徴です。

ネプロス S字めがねレンチ

こちらも非常に特徴的な形状のメガネレンチです。見た目の通りS字状に曲がっているのと1本のレンチで両側のメガネ部分のサイズが同じになっており曲がり角度がそれぞれ異なっている仕様です。

ハーフムーンレンチと曲げ方が違うのと左右でも曲がり具合が異なることによって、障害物を避けて使える範囲を更に広げることができます。

まとめ

・ハーフムーンレンチの特殊な曲がり形状が通常のレンチではできないアクセスとボルト回しを可能にします。
・同一サイズでも曲がり具合の異なるレンチを組み合わせることでアクセス/作業の幅が広がります。