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ドライバー後編は、日本で人気の貫通ドライバーからスタートします。握った瞬間ズッシリくる心地よい重さも魅力のひとつの貫通ドライバー。非貫通との使い分けが基本ですが、この「重さ」が好きでメインで使っているユーザーも多いドライバーです。
text：高野倉匡人（ファクトリーギア代表）
貫通ドライバー
固着したネジに衝撃を与えるために、グリップエンドをコンコンと叩けるのが貫通ドライバー。グリップエンドからシャンクが貫通していることからこう呼ばれています。欧州ではほとんど使われていないというのも過去の話で、現在は国内メーカー品だけでなく選択の幅も広がっています。
ネプロス 樹脂柄貫通ドライバー（ND1P2-2）
ネプロスの木柄ドライバーの価格を上回り、国内高級ドライバーシリーズではフラッグシップともいえる貫通ドライバー。実際の使用感云々は別として、持った時の重厚感は最高級ドライバーを使う喜びを感じさせてくれる逸品です。
DEEN 貫通ドライバー（DND-2P/PG）
日本人が縦に握っても横向きに握っても使いやすい形状を追求したグリップ。先入観のない工具初心者にドライバーの握り比べをしてもらった際、握りやすさでは常にトップレベルの評判を持つグリップでもあります。シャンクにはタガネにも使用されている剛性に優れた新素材を採用。
KTC 貫通ロングドライバー（D1P2-230）
全長300mmというロングシャンクで、貫通のドライバーというのがいかにも日本の工具メーカーらしい商品。先端はマグネット付きなので、奥まったところで小さなネジやナットを落としてしまった際にも便利です。マイナスのラインアップも用意されています。
HAZET 貫通ドライバー（810U-1/5） ※セット販売のみ
ハゼットの貫通ドライバーは、グリップエンドをやや太く中間部分がクビレていて、日本人にもフィットしそう。さらにこれまで主流ではなかった貫通タイプとしているなど、ウケる要素もたっぷりです。
ちょっとブレイク！グリップとトルクの関係について
こちらはドライバーの締め付けトルクがチェックできる機械。グリップの形状や太さか変わると数値が全く違ってくることが体感できるのと同時に、自分のフィーリングがいかにあてにならないものかも実感。このくらいで締めときゃいいや、というのはグリップが変わるだけで全く違うものになってしまうということを自覚しました。ベテランさんでも過信は禁物。トルク管理は慎重に！
外れない時のドライバー
ネジ山を潰してしまったり、さび付いてネジ山がなくなってしまったりというトラブルになったときには、普通のドライバーでないタイプのものがあることを覚えておきましょう。困った時に頼りになる特殊なドライバーを紹介します。
DEEN インパクトドライバー（DND-160IMP）
インパクトドライバーはグリップエンド部分を叩いた衝撃を、左右の回転に変換することで固着したネジやなめたネジを回すというもの。ビットアダプターを外すと1/2SQも使えますので、ソケットを挿せばビットだけでなく6角ボルトにも使うことが可能です。
ANEX ねじとりインパクトセット（No.1903-N）
まず、ネジ取りビットをハンマーで叩きこんで溝を作り、ミニインパクトドライバーにビットを装着し、グリップエンドを叩くと最大で45度回転してネジを緩めるというもの。インパクトドライバーは一般的な6.35mmのビットが使用でき、ビットアダプターを外して1/4SQのソケットにも使えます。
DEEN タガネドライバー（DND-10CH）
PBスイスツールのタガネドライバーを目標に開発された商品です。一般的なタガネとして使う以外に、固着した六角ボルトを叩き込んで緩めるという使い方をするユーザーもいます。先行するメーカー品を超えるために開発されたシャンクは、使用ユーザーから耐久性と剛性を高く評価されています。
ラチェットドライバー
グリップを握り、指先でシャンクを回すという器用な使い方が苦手という人だけではなく、グリップエンド方向から押し込みながら回せない、ドライバーを横向きに使うような場面でもラチェットドライバーは便利な工具。DIY工具とはいえない上質なものも出ているので積極的に使ってみましょう。
DEEN ラチェットドライバー（DNDR14、DNDR14SB）
トルクをかけたい時、グリップのボタンをプッシュすればピストル形状に変形できます。また、ボディ後端にはビットを6本収納できるようになっており、シャンクは抜き取り可能なので長短使い分けができ、持ち運びにも便利です。
※ピストル形状になりビットを収納できるのはDNDR14です。
PB SWISS TOOLS クロスハンドルラチェットドライバー（255MR-80）
グリップをT型形状にすることでより安定したネジ回しが可能で、連続した作業の場合は疲労軽減にも。ただし、回転方向切り替えのダイヤルがあるため狭いところには不向きです。
※ビットは別売りになります。
スナップオン ラチェットドライバー（SSDMR4B）
ソフトグリップのラチェットドライバーもありますが、スナップオンではグリップが角張っている樹脂グリップのクラシックタイプが人気。グリップエンドのねじ込みキャップを外すとビットが収納されています。ハードな横向きの握り方で使いやすい形状です。
※この特集は高野倉匡人「工具の本vol.7」の掲載記事をWEB用に再構成したものです。
