こんにちは。ファクトリーギアの「ジャンプマン」こと中村です。
あまりこちらのブログ(工具ブログ)の方で近況を話すことがなかったのでご挨拶がてら軽く書いてみたいと思います。
普段休みの日の趣味はもっぱらライブやイベントをを見に行ったり(バンド、アイドル関わらず)、ラジオを聴いたりしています。
といってもこの一年はコロナ禍によってほとんど出かけることがなかったため、ライブを見に行くのはめっきり減ってしまいました。その分ラジオを聴く時間が飛躍的に伸びています。
きっとブログを読んでいる皆さんも様々な「お家時間」を過ごされているかと思います。
ファクトリーギア的にはそんな時間を有効に使いたいユーザーさんが「工具セット」を検討されているシーンによく遭遇します。
自宅にいる時間が生まれたことでご自身のお車、バイクいじりに挑戦しようという方にとって、「工具」どのように揃えていくのかは非常に大事なことですよね。
工具セットは工具とその収納場所(工具箱)が一度に揃えられるというメリットがあります。
しかしその工具セットはあなたのやりたい作業にあったものでしょうか?
そこで今回は、ファクトリーギアで人気の入門モデルから工具選びのポイントを知っていただければと思います。
使いやすい入門用工具セットのポイント
入門用工具セットといっても色んな形態が出てくるのですが、今回は主に「車両整備」ができるかをベースに考えていきます。
工具セットという括りだけでも相当な種類があって、何のために組まれた工具セットなのかを購入前にチェックしないといけません。
ここらかはチェックしておきたい工具セットのポイントを挙げてみました。
使いやすい入門用工具セットのポイント ①入り組み内容
車両整備をするのに適した工具セットかどうかは、まずセット内容のサイズ設定を確認しておきましょう。
一般的に乗用車(国産車)によく使われているボルトナットのサイズが8・10・12・13・14・17・19mmとされています。
それではこのサイズに合ったスパナやモンキーレンチを持っておけば全て解決するわけではなく、固いボルトを緩めたい時は力を掛けやすいメガネレンチが欲しくなりますし、またボルトナットをより早く締めたり緩めたりするならラチェットハンドルとソケットの組み合わせが便利です。
※逆にラチェットハンドルとソケットセットもありますが、自動車には狭い場所へのアクセスができない場合も多くあるので、スパナやメガネレンチも用意しておきたいわけです。
また、ラチェットハンドルとソケットだけの組み合わせも場合によってボルトナットにアクセスできない(届かない、ちゃんと嵌らない)ため、エクステンションバーやボールジョイントなどのアダプター類も用意しておきたいアイテムといえます。
工具はひとつあればやりたい作業ができてもそれが効率よく、また快適にできるとは限りません。
ある程度ボルトナットを回すためのアプローチが何通りかあればやりたい作業の姿に近づくことができます。
そしてレンチ類と並んで最初に揃えておきたい工具がプライヤー類です。
主にプライヤー類で分類されるのがペンチ、ラジオペンチ、ニッパーです。
ここでは各工具の詳細は割愛しますが要はボルトナットを回す以外の作業で必要な「掴む・曲げる・切る」といった事を行うためのアイテムです。
このプライヤー類も数多くあってどれから選ぶのが難しいですが、後述する工具セットには標準的な全長160mm(ペンチは200mmが入っていることが多い)のプライヤーが入っています。
ファクトリーギアとしてはこのサイズのプライヤー類で基本的な整備作業に対応できるとしています。
使いやすい入門用工具セットのポイント②入り組み数
上記のポイントを押さえてソケットとスパナ、メガネレンチをサイズ分にアダプター類、そしてプライヤー類を含めていくと、入り組み数としてはおよそ50~60アイテム位が入門用工具セットの目安となってきます。
入り組み数の違いは他の要因も絡む場合がありますが、私の感覚的には50アイテム未満であれば実際の作業用に工具を買い足す必要が出てくると思います。
一方で60アイテム以上になってくると最低限の工具以外に状況に応じて使う工具も含まれていると判断できます。
しかし入り組数の違いが単純な工具セットの優劣にはなりません。
本当に決まったサイズしか使わない作業のみ行うなら少なくても無駄がない工具セットですし、入り組数が増えるとおのずとできる作業の幅が増えるので、あなたの今やりたい作業、今後やりたい作業と照らし合わせてみてください。
使いやすい入門用工具セットのポイント③ソケット、ラチェットの差し込み規格
ここでは先にご紹介したラチェットハンドル、ソケット、それらのアダプター類について関わるポイントです。
ラチェットハンドル、やソケット類には接続するための規格が定まっています。小さいものから1/4SQ、3/8SQ、1/2SQ規格などがあります。
それぞれ作業の用途や使いたいソケットに応じて選んでいくのですが、車両整備の入門用工具セットとしては「3/8SQ規格」になっているものをチェックしておきましょう。
その理由として、車両整備で使うためのソケット類が多く設定されているからです。
前の項目でご紹介したように乗用車(国産車)によく使われているボルトナットのサイズが8・10・12・13・14・17mmに対して、3/8SQ規格であれば基本的にすべてカバーできます。
一方で1/4SQ規格だと多くの工具メーカーでは14mmまでの設定が多くそれ以上のサイズをカバーしきれないのと、小さい差込規格に対して大きいボルトナットを回すのは工具側に負担が大きくなります。
また1/2SQ規格の工具で8mmもカバーできますが、1/4SQ規格より工具そのものが大きくなってしまい、狭い場所での扱いが大変な場合も出てきます。
そこで工具自体が大きくなりすぎず、かつ最低限必要なソケットサイズが揃う3/8SQ規格の工具を揃えておくと便利です。
もちろん作業に応じてよりベストな工具を使うときに1/4SQ、1/2SQ規格の工具を選ぶタイミングがやってくるかと思います。
まずは車両整備でよく使われるサイズをカバーしておいて、段階的に必要な工具を足していくと無駄がないです。
使いやすい入門用工具セットのポイント④工具箱
ここまでは工具の事をメインに触れてきましたが、工具セットを選ぶときに大事な工具箱にもチェックしておきましょう。
工具セットの定番としてはスチールのチェストタイプもしくは両開きタイプが主流です。
容量と強度を兼ね備えているので、今後工具を買い足した際にも収納できます。
チェストタイプは上蓋を開くトップ部分と引き出し部分が独立し、一段ごとの容量が大きいのでより多くの工具の整理整頓に向いています。
両開きタイプは相対的にチェストタイプより容量は少なめですが、箱本体を閉じた際に外寸がコンパクトなのでお車やガレージの狭いスペースにも設置できて持ち運びもしやすく、本体を展開することで収納した工具全体を確認できるという特徴もあります。
工具箱を持って移動するかどうかでまずはチェストタイプか両開きタイプが合っているかを判断してみてください。
おすすめ工具セットをチェックしてみましょう
ここまでいろんなチェックポイントをご紹介してきましたので、ファクトリーギアで人気のモデルはその内容に適しているのか確認していきましょう。
DEEN 工具セット 「DEEN BASIC」 GSDNBASET
DEENブランドの「ギアセット」シリーズのまさに基本となる入り組み内容で構成されたモデルです。
入り組み内容(トップ部分)
3/8SQのラチェットハンドル・ソケット・アダプター類に貫通ドライバーがセッティングされています。ソケットはスタンダードとディープが揃っていますね。ソケットサイズは8・10・12・13・14・17・19・21・22mm(ディープソケットは8・10・12・13・14・17mm)と幅広い設定です。ドライバーは貫通モデルです。
入り組み内容(引き出し部分)
引き出し上段と中段はコンビネーションレンチやメガネレンチが中心となってセッティングされています。コンビネーションレンチは8~19mmまで、メガネレンチは8~24mmまで(車両整備で使われない20・23mmを除く)の各サイズがぎっしり入っており充実しています。さらにコンビネーションレンチはスタビクイックモデルも入っています。
また中段にはDEEN ビットセット(DNBT52SET)も入っており、トップ部分に入っているラチェットハンドルと「変換ビットアダプター」と組み合わせてプラスネジやトルクスネジなども回せるようになっています。
下段はニッパー、ペンチ、ラジオペンチ、モンキーレンチ、L型六角レンチと定番のプライヤー類が揃っています。
入り組み数
車両整備でよく使うサイズ以外にも126アイテムとかなり多く感じられるかもしれませんが、ビットセット内に多数のビットが含まれている為でもあります。
工具箱
こちらのセットは「DEEN 3段トップチェスト(DNX2103)」が使われています。
上蓋のトップ部分と3段分の引き出しがあって工具別、また作業別に収納する工具を整理整頓できます。
工具箱としてのサイズ感は他メーカーと比較しても標準的サイズといえます。ちなみに工具箱の容量としてはこのセット用にトレーをつけて工具を収納しているので、さらに工具を買い足した際はトレーを外して収納が可能です。追加で収納できる量はセットの倍くらい可能です。
KTC 2021SKセール スタンダードツールセット[入組点数56点]両開きメタルケースタイプ レッド SK35621WR
製品ページ日本の工具メーカー「KTC」からラインナップされている工具セットの一つです。
入り組み内容
このセットをはじめ、KTCという工具メーカーはオートモーティブ系の作業に向いている工具が多く作られていて、この工具セットにもオートモーティブ向けに組まれている一つです。
後ほど紹介しますが、こちらのセットは両開きタイプの工具箱に収納されていて、左右に分かれたトレイ部分が2段と底部に分かれています。
上段の左右トレイには3/8SQラチェットハンドル・ソケット・アダプター類と貫通ドライバーがセットされています。
ソケットはスタンダートとディープタイプが入っていますが、「DEEN BASIC」との違いとしてはスタンダードソケットは8・10・12・13・14・17・19mmまで、ディープソケットは10・12・14mmと絞った設定です。
これはケースのスペースの関係も考えられますが、オートモーティブによく使われるサイズに絞られているといえます。
「DEEN BASIC」にはないヘックスソケットが含まれているのも特色です。
ドライバーもスタンダードな5サイズに加えて全長が短いスタビドライバー(プラス・マイナス)が含まれているのも作業性を上げてくれますね。
中段トレイはメガネレンチ・スパナにL型レンチ、ビットラチェットが入っています。
レンチ類はソケットと同じくサイズを絞って組まれています。
例えば15・16・18mmがありませんが、外車で使われることのほうが多いこれらのサイズを外しているのも、より明確に国産車向けのセットだということが分かります。
最下段のトレイにはハンマー、モンキーレンチ、ニッパー、ペンチ、ラジオペンチと「DEEN BASIC」と近い構成です。
入り組数
56アイテムという数は先に書いた通り国産車向けに組まれたサイズの工具に絞られているので、国産車の整備作業を明確に考えている方にとっては無駄なく使えるセットです。
工具箱
最初に少しご紹介したように、こちらのセットは「KTC 両開きメタルケース EK-1AR2」を採用しています。
両開きケースの特徴に加え、ケース上部は収納式のハンドルとなっていてケース上面がフラットになるので、狭い棚にも納めやすかったりケース同士を積みかさねるのにも便利なデザインです。
Gear Set ディッキーズバージョン GSDISET
製品ページ「DEEN BASIC」と同じくギアセットシリーズですが大きく異なるのが入り組みに使われている工具メーカーです。
入り組み内容(トップ部分)
入り組みに使われている「ディッキーズツール」は、初めて工具を使ってみたい方にとって手に届きやすい価格帯と扱いやすさが特徴になっています。
3/8SQのラチェットハンドル・アダプター類に、ソケットは8・10・12・13・14・17・19・21・22mm(ディープソケットは8・10・12・13・14・17・19mm)とかなり豊富な入り組みで「DEEN BASIC」と近い構成です。
ドライバーはスタンダードの6サイズ+スタビドライバーの2サイズ入っているのはKTCスタンダードツールセットに近い形です。
入り組み内容(引き出し部分)
引き出しに収納されているレンチですが、コンビネーションレンチ・メガネレンチともに8~19mmとなっており、カバーできないサイズはモンキーレンチが担います。
このモンキーレンチはラチェット機構がついていて早回しもできる便利アイテムです。
「DEEN BASIC」や「KTCスタンダードツールセット」と大きく異なるのが握りものなどの構成です。
ニッパーやペンチ類が無い代わりにマルチツールの「12ファンクションプライヤー」や「LEDライト」、「メジャー」がセットされていることが特徴です。
いずれもほかの工具セットに含まれることは少ないのですが、作業において一緒に使うと便利なアイテムばかりです。
そんなアイテムが最初からセットに含まれているのも初心者ユーザーにとって優しいといえるかもしれません。
入り組数
入り組数は56アイテム。ソケット類は豊富ですがプライヤー類はマルチツールに集約されています。
マルチツールは専門性は下がりますが一つでいろんな作業に対応できることも使いやすさに繋がっています。
工具箱
こちらのセットも「DEEN 3段トップチェスト(DNX2103)」が使われています。
トレーを外せば収納能力が上がりますので、例えば今後工具を買い足した時や既に手持ちの単品工具があって整理整頓したいときにこのチェストの容量を生かせると思います。
まとめ
入門用工具セットのポイントと実際の工具セットを比較してみましたが、人気モデルの中でも「KTCスタンダードツールセット」は国産車の整備向けという絞った目的があり、「DEEN BASIC」と「Gear Set ディッキーズバージョン」はそれ以外の作業も想定し、その中で「DEEN BASIC」はより複雑な作業も見据えていて、「Gear Set ディッキーズバージョン」はセット内での使いやすさが特徴になっています。
他の工具セットについても、同じくチェックポイントをを見て「初心者の自分にも扱いやすいか」を確かめてみてください!