持ち運びに便利な工具箱の特徴3つのポイント

工具を持ち出しで作業するにあたって、その工具の量と重さを工夫する事で扱いやすくなると以前の記事『持ち運ぶ工具を軽くする3つのポイント』でご紹介しました。
前回は工具自体の選択を考えましたが、もう一つ重要な「工具箱」についても考えてみましょう。

箱の素材を軽くする

「工具箱」で定番と言えばスチール製。
金属の工具箱は重く大量の工具を収納するのには有効ですが、持ち運びにおいては工具箱自体の重量が負担となってかえって不便です。
そこでまずは金属製に代わる素材の工具箱をチェックしてみます。

①布製

DEEN 大開口布製工具ケース ブラック

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布製の工具箱は素材による軽量化の他、布の柔らかさを生かして様々な収納形態(後述しますがポーチ、ケース、バッグなど)があり、運ぶ工具の量や形を考慮して選ぶことができます。

DEEN 大開口布製工具ケースは他の布製工具箱よりも開口部の広さが特徴

また収納する工具を移動中に外の衝撃から保護する役目もあります。柔らかい素材なので工具箱の中で工具があばれて傷ついてしまうという事を防ぎます。

布製の工具箱を使用する際に気を付ける事は、工具箱への衝撃によって金属製に比べて布自体が傷みやすいという点です。
一度傷む(糸がほつれる、布が破ける)と修理が難しいので、布製を選ぶ際には箱のサイズとともに布の厚みや縫製がしっかりしている物を選びましょう。

②樹脂製

DEEN J 樹脂製工具箱(M)

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樹脂製の工具箱は、やはり金属製と比べ軽量化できる事と布製に対しては耐久性が上げられ、比較的大きな外寸の箱の設定もあることが優位な点です。
金属製の工具箱と変わらないサイズ感で軽量化できて強度もある程度保たれ、サイズの大きな工具を収納したい場合には樹脂製の工具箱が便利です。

DEEN J 樹脂製工具箱は樹脂部分(黒い部分)と金属部分(赤い部分)を組み合わせたハイブリッドなモデル。 軽さと耐久性を兼ね備える。

樹脂製で気を付けて頂きたいのは、いくら容量が大きくても大量の工具を収納したり高温の作業環境で使用したりすると箱のゆがみ・割れといった破損に繋がるので金属製と同じ感覚で使い過ぎないことです。
また布製と比べると柔軟性はないので、後述するポーチなどウェアラブル系のものは現状出回っていません。

箱の形態を工夫する

工具箱も前項で少しご紹介したように小型の物から大型まで、またその形状も様々です。
代表的な形態から自分に合ったものを選んでみてください。

①ポーチ

布製の工具箱(工具袋の方がイメージしやすいかもしれません)は、シンプルな袋形状の物から工具を一つ一つ収められるようにマチの付いたロールポーチがあります。
布の柔らかい素材を生かして、収納した工具の量に応じてコンパクトに丸めたり折りたたんだりできるのが利点です。

②バッグ

BAHCO ジッパー付きオープンバッグ

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この形態はさらに細かいデザインの違いが出てくるので今回は代表的なものでその機能をいくつかご紹介します。
ここではいわゆる一般的なバッグの形をしたものを指しますが、工具を入れる為の専用設計になっています。

レンチ類、プライヤー類を一本ずつ収納できるよう小型のポーチやバンドが付く

中の工具を取り出しやすいように開口部が広くなっている「オープンツールバッグ」タイプが主流

バッグ内に収まらないサイズの工具を持ち運べるようにマジックテープやゴムバンドで外側に固定できるタイプもある

③ケース

ハゼット パーツケース付ツールボックス

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この形態も大小様々なサイズがあります。強度面では金属製のものが優位で種類も多いですが、樹脂製に置き換えれば工具を含めた総重量を抑える事ができますし、機能面(引き出し付き、パーツコンテナ付きなど)では同等か金属製にない特徴を持つものもあるので、細かな部品も持ち運ぶ場合は樹脂製ケースを他のバッグ・ポーチと組み合わせるのも良いかもしれません。

パーツコンテナはケース内に内蔵されているもの、上蓋が加工されているものとさまざま

引き出しタイプの工具箱には、ロック機能(写真左手のレバー)が内蔵されているタイプもある

箱の持ち運び方を工夫する

最後に工具箱をどのように携帯するかでも運ぶ際の負担を軽減したり作業効率が上げられます。

①ショルダーベルトを付ける

前項でご紹介したバッグ型工具箱にはショルダーベルトが付属することが多いのですが、重い工具をいれたバッグをずっと取っ手を持って手が痛くなるより肩から下げる方が負担が減ります。

②リュック型を使う

バーコ リュックサック スモール

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ショルダーベルトよりも両肩に掛けられてより負担を減らすことができるリュック型。
近年工具メーカーから工具の収納に適したサイズ・機能のリュック型バッグのラインナップも増えてきており、工具の容量によってはリュック型がかなり有効に使えると思います。

③キャスター付きの工具箱

作業状況によってさらに大量の工具を運ぶとなった場合、これまでご紹介したアイテムだと収まりきらない、重くて運べなくなる事もあり得ます。
そこで工具箱を「持ち上げる」のではなくキャスター付きの物を選んで転がせば運搬能力を上げ体への負担もさらに減らすことができます。

箱の素材も金属製から樹脂製、布製のものがあり、また形状もシンプルなカートタイプからバッグ(リュックサック)になるタイプ、小さめのキャビネットタイプまであります。
気を付ける点は、いずれも容量が大きめに作られていることが多いので箱自体がかさばるのと、工具を入れた際に階段など段差があると持ち上げるのに苦労することがあるので、サイズ感と機能(バッグとして持てるか)をチェックしておきましょう。

まとめ

・工具箱の素材を変える事でも持ち運ぶ総量を軽くする事ができる。
    (但し、素材による耐久性に注意する。)
・工具箱の形状を工具の量や移動時の状況に合わせ適したものを選ぶ。
・工具を運ぶ量、時間が多くなるのに合わせてリュック型やキャスター付きの工具箱を選んで負担を減らす。

ご紹介したアイテムを組み合わせて使うことで工具の保管や整理整頓にも貢献します。何度も工具を持ち運ぶ機会があるほどに工具箱選びは重要になるのでぜひ気にしてみてください。