薄いボルトやダブルナットを緩めるには?おすすめ5大工具+α

工具の中でも「スパナ」や「コンビレンチ」といえば六角ボルト・ナットを回す代表的な工具(レンチ)です。
そんなスパナも用途によってその形状が微妙に異なるのはご存知でしょうか。
最も分かりやすいのが「厚み」。

一般的な厚みのもの以外に、限りなく薄く設定されているスパナがあるのです。

そんな薄口スパナの利点と、『FG的5大薄口スパナ』をご紹介したいと思います。

使い所①薄いボルトの頭・ダブルナット

他のパーツに干渉せずボルトへ確実にアクセスする

ボルトやナットは一般的に工業規格で決まった厚みがありそれに合わせて標準的なスパナが設定されていますが、自転車のペダルやクランク回りの部品に六角が使われていますが通常のナットよりも薄くなっています

画像中央にあるのが薄いナット。ナットの上下のパーツが接近していることもありアクセスしずらい箇所でもある。

薄いボルトナットを回す時に困難なのが、ボルトナット以外の部品に干渉してしまうケースが多い事です

ということは他のパーツが邪魔をしてそもそもボルトナットを回すこと自体ができない場合があるのです。

ナットへスパナを掛けられたとして、厚みのあるスパナが他のパーツに当たって傷が付く可能性もあります。

また自転車やオフィス用品などで見られるのが「ダブルナット」でボルトがとまっている状況です。

ナットを二つ続けてボルトにとめることでボルトが脱落しないようにしてあるわけですが、このナットを回して位置を微調整しようとしたとき一つのナットは回らないよう押さえておかないと共回りして調整ができません。

この場面でもスパナの厚みがあるとスパナ同士がぶつかってうまく回せなかったりスパナを二つ重なった厚みがアクセス自体を困難にしてしまいます。

この状況を薄口スパナであればスパナ同士、また周辺パーツに干渉せずアクセスして作業する事ができます。

使い所②操作感を上げる

先程は物理的なアクセス性における利点をご紹介しましたが、スパナが薄くなることで操作感が上げられる事も見逃せません。

スパナ部分、また持ち手を含めた全体の肉厚が薄くなることでまず工具の軽量化が図れます。

レンチには普通ボルトを締めたり緩めたりするのに必要な耐久性が求められるものですが、その耐久性がそれほど必要としない箇所やボルトナットを単に回すだけであれば、余計な厚みのあるスパナよりも薄口スパナの方が軽くできるぶん手への負担を減らし、楽に作業できるのです。

FG的5大薄口スパナ①ミトロイ 薄口コンビネーションレンチ

ミトロイ 薄口コンビネーションレンチ 10mm

厚み:4mm

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ここからはおすすめの薄口スパナをご紹介します。

メーカーで複数サイズあるものについては、どの業界でもよく使われる10mmサイズでスペックを比較してあります。

ミトロイの薄口コンビネーションレンチはスパナ部分からメガネ側まで全体が薄く、薄口スパナとしてはスタンダードといえる仕様です。

グリップ部分は強度を保つためにプレスが加えられている。

メガネ側は15度オフセットしている。

サイズ設定も7mmから19mmまで揃い様々な業種の方に使っていただける工具といえます。

FG的5大薄口スパナ②KTC 薄口コンビネーションレンチ

京都機械工具 薄口コンビネーションレンチ10mm

スパナ側厚み:3mm

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KTCでも同様の仕様で薄口コンビネーションレンチの設定があります。

サイズ設定が少し特殊で、このコンビネーションレンチは元々自転車用工具として作られていることで薄口スパナがよく必要になるであろう8mm、10mm、15mmのみの設定となっています。

KTCのスタンダードなレンチ類と同じくブラストフィニッシュだが、このレンチシリーズのグリップ部分は桜の模様が入った特別な仕上げとなっている。またKTCのスタンダードコンビネーションと比べ全長が長くなっていることでアクセス性と楽に力を掛けられるようになっている。

ただスパナ部分のコンパクトさもあって自転車ユーザーはもちろん、このサイズをピンポイントで探している方にとってもおすすめできるアイテムです。

ミトロイの薄口コンビと違いオフセットはしていない。

FG的5大薄口スパナ③KTC プロフィットツールスパナ

KTC プロフィットツールスパナ10mm

スパナ部分厚み(先端):3.5mm

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KTCにはもう一つ薄口スパナと言えるアイテムがあり「プロフィットツール」としてシリーズ化されています。

他の薄口スパナと少し異なるのがそのデザイン。

スパナ部分が先端にかけてテーパー状に薄くなっています。

これは「操作感を上げる」の項目でご紹介したように単なる薄いボルトナットへのアクセスだけではなく、作業自体の効率を上げるためにシェイプアップされた形なのです。

スパナ部分だけでなくレンチ全体のデザインも独特で、通常は両側で異なるサイズになるスパナではなく、両側とも同じサイズでレンチの立ち上がり角度を変えることでスパナのアクセス性そのものを向上させる意図があります。

画像の手前側のスパナ部分は25度立ち上がっている。そのため通常のスパナとは異なり両側が同じサイズで使い分けられるようになっている。

クリアランスが無い場所では立ち上がりのないスパナ側を、逆に立ち上がりがある側のスパナだとレンチ自体を持つスペースを確保しやすくなる。

メーカーがユーザーの意見を取り入れたデザインとあって持った時の軽さや使いやすさを重視しているので、「使うかわからないけど、とりあえずスパナ揃えておこう」と思っている方がいれば、ぜひ使い勝手の良いプロフィットシリーズもチェックしてみてはいかがでしょうか。

FG的5大薄口スパナ④スタビレー イグニッションスパナ

STAHLWILLE スタビレー イグニッションスパナ 10ミリ

スパナ部分厚み:3mm

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海外メーカーにも薄口スパナの設定があります。

その中で特徴的なのがスタビレー。

薄口スパナとしての機能はもちろんのこと、このスパナは「アングルスパナ」と呼ばれるデザインです。

KTCプロフィットシリーズのスパナと同様に両側は同じサイズで、スパナの向きで差を付けている。

スパナの片側が一般的なものより極端に向きを曲げてあります。

これも狭い作業環境でのアクセス性が考えらたもので、状況に合わせて両側のスパナを使い分けられるようになっています。

同じボルトナットにアクセスする場合でも両側のスパナで大きくレンチ自体の向きが変わる。障害物や持ちやすさを考慮して使い分けられる。

またスパナの全長がかなりコンパクトである上にサイズ設定が3.2mm~14mmという小さいボルトナットを回す仕様なことからも精密な機械での使用に長けていて、ダブルナットの片側を押さえる目的でも便利なアイテムです。

極小サイズからラインナップされていることで電子機器や産業機械のメンテナンス関係でも活躍。

FG的5大薄口スパナ⑤スナップオン ロートルクスパナ

スパナ部分厚み:3mm

忘れてはいけないのがスナップオン。

レンチ全体が薄い設計です。

グリップ部分から薄く作られており、あえて「力を掛けさせない」ようなデザイン。

このレンチならかなり狭い場所にあるボルトナットへアクセスが可能です。

ご注意いただきたいのがこの刻印。

わざわざ刻印されているのはやはり思いっきり力を掛けるユーザーがいるためだろうか。

「LOW TORQUE ONLY」とわざわざレンチに記載されているほど、強度を下げても薄くしてアクセス性を重視しているのが伺えます。

FG的5大薄口スパナ 番外編 エンジニア モンキー@ポケット

エンジニア モンキー@ポケット 100mm

スパナ部分厚み:2mm

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ここまではスパナやコンビレンチを中心に取り上げてみましたが、忘れてはならないのが同じ機能を持つ「モンキーレンチ」。

モンキーレンチにももちろん薄口タイプが設定されていて、その中でも注目がエンジニアのコンパクトモデルのモンキーレンチ。

先端の厚みが2mmと薄口レンチとしてかなり薄く、そしてモンキーレンチの最大の特徴である「複数サイズに対応する」というメリット(最大20mm)をさらに生かす事ができるのです。

全長もコンパクトな設計なので、作業に持ち込める工具が限られるような作業環境や、もしくは咄嗟に代用できる工具としてご家庭にやオフィスに一つあるだけでかなり活躍してくれるはずです。

まとめ

・アクセスが困難だったり、ダブルナットを回す際に通常のスパナでは困難な作業時に専用工具として薄口スパナを試してみる
・薄口スパナの軽さやアクセス性は通常の使用でも有効
・工具としての強度は下がるので過剰な力の掛け方は注意

各メーカーによっても特色があるので作業状況に合わせて選んでみてください。