前回から『充電式ラチェットレンチ』をはじめとする3種類のラチェットハンドルについてそれぞれの特徴を比較しています。
コードレスラチェットレンチを比較してみました①スピード・パワー編
コードレスラチェットレンチを比較してみました②サイズ・重量感編
そして、最後のテーマ「準備」について比較していきたいと思います。
Contents
準備に必要なこと・モノ
今回もファクトリーギアで扱っている代表的なモデルを参考にしております。
SP コードレスラチェットレンチ(SP81613)
製品購入ページ
信濃 ミニラチェットレンチ(SI-1209)
製品購入ページ
DEEN 3/8sqラチェットハンドル(DNR3-07R)
製品購入ページ
充電式ラチェットハンドルは、動力源となる電池パックを接続して使用するので、事前に電池パックに充電する必要があります。電動工具全般に言えますが電池パックの残量がないと作業はできないので気をつけたいです。また電池パックだけでなく充電器も故障すると充電できないといった状況もあるので定期的に動作チェックしておく必要があります。
予算は増えてしまいますが電池パックを複数(充電)しておくことでとっさの充電切れにも予備電池で対応できます。また充電池は継ぎ足し充電が可能で急速な充電にも対応するリチウム電池のモデルが最近はおすすめです。
電池パックは、同じメーカー内での互換性がありますが、電圧の違いで使えない物もあります、同じメーカー内でも互換性があるかどうか?確認は必要です。しかし、互換性がある場合は、予備の電池パックを共有できたり、使い回しができるので便利です。その為、充電工具は同じメーカーで揃える方が多いです。
IR 3/8インチ 充電中型ラチェットレンチ(20V)
製品購入ページまた、メーカーによっては充電工具にも使われる電池パックは大型になるタイプあります、前回の「サイズ・重量感」でご紹介したように電池パックのサイズ感も気にしておきたいです。
エアーラチェットは前回のブログ(「サイズ・重量感」の項)でも少し触れましたがエアーコンプレッサー、エアーホース、カプラの準備が必須です。
ここで注意したいのはコンプレッサーとエアーホース。
エアーツールは連続運転すればそれだけエアーの量が必要になる為、吐出量が大きなコンプレッサーが必要となります。工場などでは200Vの大きなコンプレッサーがありますが、一般の家庭では100Vの電源となる為、100Vで最大のタイプ2馬力がおすすめです。
そして、エアーホース。ホースの内径の太さなんです。太ければそれだけ多くのエアーを供給できる為、パワーを必要としたい場合は内径の太さにも気を使いたい。
しかし、エアーが多く入りすぎると故障の原因にも繋がる為、パワーが欲しいからと内径の大きなエアーホースを使えばいいということではないのです。大型のインパクトレンチなどは8mmなどのホースを使いますが、エアーラチェットは、一般的には内径6mmが適当です。
また、エアーツールの場合、コンプレッサーのタンクにエアーを溜めなければいけません、すぐに使いたい時にその時間がネックとなります。
しかしこれらの設備を一度用意しておけば、共通のカプラでメーカー問わず、色々なエアーツールが使用できる。
とは言っても、注意しなければいけないのはコンプレッサーの吐出量、100Vのコンプレッサーでは吐出量に限界があるので、長時間回しっぱなしになるエアードリルやエアーリュターは使えないので注意して下さい。
これらに対して本体だけの準備で充分なラチェットハンドルが最も手軽に用意できる工具だと言えます。
もう一つ各ラチェットハンドルを使って作業する時に忘れては行けないのが「ソケット」です。
通常ラチェットハンドルにはハンドツール用ソケットを使うのに対し、充電式ラチェットレンチれエアーラチェットには「エアツール用ソケット」が推奨されています。
これはラチェットハンドルよりもスピード・パワーが上がる充電式ラチェットレンチやエアーラチェットでハンドツール用ソケットを使うと壊れる可能性が高くなるためです。割れにくい様に専用設計されたソケットを別に用意する必要はありますが、スムーズな作業を実現するためには必須の工具です。
まとめ
3回に渡って3種類のラチェットハンドルについて各項目を比較してみましたが、
・スピード、パワー
エアーラチェット>充電式ラチェットレンチ>ラチェットハンドル
・サイズ、重量感
エアーラチェット≧充電式ラチェットレンチ>ラチェットハンドル
・準備(周辺機器を含め)
エアーラチェット>充電式ラチェットレンチ>ラチェットハンドル
このような違いが見えてきます。第1回でお伝えしたように各モデルによってこの比較は入れ替わる場合がありますが傾向としてラチェットハンドルがシンプルな機能と必要な準備に対しスピード、パワーを求めていくとエアーラチェットや充電式ラチェットレンチが検討する必要があり、その際にラチェットハンドルに対し本体の重量感やどんな事前準備がいるのかでどちらのモデルを選択していくことになると思います。