工具実験室 ~ヘックスソケット破壊試験編~

第四回となる破壊試験ですが、今回はヘックスソケット編。ラチェットやスピンナーなどと組み合わせて使う工具だけに、実際の作業では組み合わせの相性も重要になってくる工具です。
text:高野倉匡人(ファクトリーギア代表)

考察

ユーザーから長年に渡り高く評価を受けていた、ハゼットのヘックスソケットが予想以上に数値が低かったのですが、これはここ数年で他社のヘックスソケットの改良が大きく進んでいるからだといえます。スナップオンとネプロスが断裂してしまうのではなく捻じれてしまっているのも興味深く、この2つは、バツンと突然割れたビットの先の部分を落とさず、捻じれるという壊れ方を意識し、同じようなスタンスで開発されていることがわかります。ユーザーからよく問い合わせを受ける、しなりが少なくダイレクトに力が伝わるという面では、破壊角度の小さいメーカーを選べば良いといえるでしょう。

メーカー別L型レンチ破壊結果

KTC

Ko-ken

Ko-ken(Z-EAL)

DEEN

スナップオン

 ハゼット

ネプロス

PB SWISSTOOLS

総括

ヘックスソケットの場合はL型と異なり、シャンクの特性や強度というだけではなく、ソケット部分がパフォーマンスに大きく影響します。今回はシャンク部分のデータであって、実際の使用状況はソケットに何かをジョイントしています。ソケットと接続される工具との相性が悪くガタツキが大きければ、シャンクには想定外の力が加わるので、シャンクの特性プラスラチェットなどとの相性もチェックしたいところです。

この特集は高野倉匡人「工具の本vol.7」の掲載記事をWEB用に再構成したものです。

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