今回の破壊試験のなかでも、とても興味深い数値が出ているのがドライバーのテストです。見た目にはクオリティが高くなっているように思われるDIY品の数値も、トップブランドと比較すると大きな開きがありました。現在、ドライバーにはDIY品で使われているクロームモリブデンや、クロームバナジウムではない、新しい素材が使われていることが大きな結果の違いとなっているといえるでしょう。
text:高野倉匡人(ファクトリーギア代表)
Contents
メーカー別 ドライバー破壊結果
PB(貫通)
PB(非貫通)
※先端が折れる前にシャンクとグリップが回ってしまったため測定不可能。
ハゼット
ネプロス
ベッセル
※先端が折れる前にシャンクとグリップが回ってしまったため測定不可能。
スナップオン
DEEN
KTC
ヴェラ(貫通)
ヴェラ(非貫通 / レーザーチップ)
BETA
PB(チタン)
ヴェラ(ステンレス)
LIGHT(DIY品1)
※先端が折れる前にシャンクとグリップが回ってしまったため測定不可能。
NODA(DIY品2)
神田(DIY品3)
総括
上質ブランドのドライバーの多くは数年前から新素材に変わっているものが多くあります。こういった新素材の登場により、見た目が綺麗なDIY系のドライバーとの違いになったといえるでしょう。高級素材であるチタンドライバーの破壊トルクがわかったことも今回の発見のひとつでしたが、一方で一定の速度で均等に力が掛かる機械を使ったドライバーの破壊トルクの数値は、グリップを握った人の数値とは異なるということも理解しておきたいポイントです。
※この特集は高野倉匡人「工具の本vol.7」の掲載記事をWEB用に再構成したものです。
工具実験室 アーカイブ
・工具サビサビ実験 ~海水に工具はどのくらい耐えられるのか?~
・工具実験室 ~ラチェット破壊試験編~
・工具実験室 ~レンチ破壊試験編~
・工具実験室 ~L型レンチ破壊試験編~
・工具実験室 〜ヘックスソケット破壊試験編〜