考察
2013年から市場に帰ってきた、ハンソンのオートマチックロッキングプライヤー。開き幅を調整することなく、一度セットした強度で挟む相手の大きさに関わらずに使えるという夢のようなロッキングプライヤーです。実はこの商品、今から数年ほど前にも同様に日本で販売されていたことがあります。ところが、挟む力が弱い、指を挟みやすいなどの問題があり、一度は評判になったものの、その後市場からの信頼を失っていました。近年リリースされた新タイプでは前モデルの問題点を克服したという話だったのですが、実際にどうなのか?テスト方法は人力なのですが、本気の手加減なしでチェックしたのでご覧ください!
text:高野倉匡人(ファクトリーギア代表)
破壊試験結果
ロッキングプライヤーでは破壊試験ができないと思っていましたが、ロックした状態にセットして徐々に開いていくという破壊試験器があったのでテストしてみました。比較相手がコピー品だったこともありますが、一目瞭然の結果となりました。
ハンソン
コピー品
つかみ試験結果
写真左 まずは一般的な日本ブランドの商品。思い切り握ってみました。→ 389kgf
写真右 ロッキングプライヤーのコピー品があったのでテスト。 → 427kgf
写真左 次にハンソンの一般商品。→ 483kgf
写真右 かなり疲れがあるなかで新製品のテスト。 → 625kgf
総括
特に手加減したわけでもなんでもなく、大きな数値の違いが出ましたが、これはデザイン自体が大きく変わっていることが、その要因としてあるということです。ロッキングプライヤーを握る際の視点の位置が変わってきたことにより、小さな力で大きな力が掛けられるようになったというのがメーカーの説明でした。なるほど、同じように見えますが実際に自分で握ると違いがよくわかりました。
※この特集は高野倉匡人「工具の本vol.7」の掲載記事をWEB用に再構成したものです。