あなたが「タイヤ交換」を行うとき、ホイールナットを緩めるのにどんな工具を使うでしょうか。
一般的なソケットでも回りますが、「ホイールナット用ソケット」という専用ソケットを使うことでより安全に、より正確に作業を行うことがでます！
「長さ」と「薄さ」が専用ソケットの証
ホイールナット用ソケットは全長が長めに設定されています。（一般的なディープソケット並です）
リムが深いホイールナットにアクセスしやすくなっており、タイヤ交換時にソケットを回すハンドルがホイールやフェンダーなどに干渉して傷付くのを避ける役目があります。
京都機械工具12.7sq(1/2sq) ホイールナット専用ソケット [21mm] 製品購入ページ
またソケット部の外形（肉厚）がナットサイズに対しては薄く設定されています。
画像向かって左がホイールナットソケット。通常のソケット（右側）に比べ、ザグリ（面取り）部分の面積が少ない事が分かる。
ホイールのデザイン上、ナットとの隙間が少ない事が多く（アルミホイールなど）、通常のソケットではうまくはまらず無理矢理使うとホイール側が傷付くので、薄肉のソケットが有効になります。
アルミホイール向けにさらに外径が薄いソケットもございます。
このソケットは通常のソケットにかぶせて使うモデルとなっている。
ただし外形が薄いためオーバートルクでの使用ではソケットが割れやすくなっています。
ナットもお守りします
ソケットの内部にある白い部分が樹脂パッド。
ホイールナット用ソケットの内部には「樹脂パッド」が付いてあります。
これはホイールナットが塗装されているものやアルミ製の場合、ソケットと接触することでこすれ傷が付くのを軽減しています。メーカーによっては金属の中でも柔らかいアルミ製ホイールナットソケットも用意されています。
エアツール用を使ってタイヤ交換もスピードアップ
コーケン 薄肉インパクトソケット17mm
製品購入ページホイールナット用ソケットにもエアツールで使用できる「インパクトレンチ用」が用意されています。
インパクトレンチ用に粘り強い材質の設計に、今回ご紹介した専用設計の外形、さらにメーカーによってソケットに樹脂カバーが付いている設定もございます。
樹脂カバーが被さっている状態。画像のKo-ken製は樹脂カバーを取り外すことができ、状況に応じてカバーを外す事で更に外径を薄くしてアクセス性を上げられる。
インパクトレンチによってソケットが高回転で回るためホイールがより傷付きやすくなるのを防いでいます。
またホイールナット用インパクトソケットならではの特徴で、ソケット中央部がくびれています。
これによってソケットを回す際にソケットのねじれが発生し、エアインパクトレンチを使う際の過剰なパワーを逃がす役目を持っています。
もう一つの特徴として、ソケットサイズによって色分けされているモデルがあります。一目でどのサイズか分かるので様々な車種を扱うメカニックさんの作業効率アップにも役立ちます。
17mm=青
19mm=赤
21mm=黄
ソケットごとの色分けによってサイズ間違いによるホイールナットの損傷、作業効率の低下を防ぐ。色分けはメーカー間で統一されているので他メーカー品を使っても間違いにくくなっている。
DEEN ホイールナット用ソケット3pcセット
製品購入ページより特殊なタイヤ交換
前述したアルミホイール用のようにホイールの特徴に合わせさらに細分化されたモデルもございます。
・大型車用（ダブルタイヤ）ホイールナットソケット
引用：http://www.koken-tool.co.jp/catalog/jp/html5.html#page=283
大型車のダブルタイヤがインナー側が四角い頭のボルト、アウター側が六角ナットで留まってるものを一つのソケットで付け外しできるようになっています。
・インパクトトーションバー
引用：http://www.koken-tool.co.jp/catalog/jp/html5.html#page=281
ホイールナット用インパクトソケットでも取り上げたソケットのくびれをもっと強調してあり、設定トルク値以上ではホイールナットが締まらないようになっているソケットです。
※締め付け専用のソケットです。
まとめ
今回ご紹介したホイールナット用ソケットの特徴は
・奥まった位置のホイールナットにアクセスしやすい（長さ）
・ホイールとナットを傷つけない工夫（外形、樹脂パッド、アルミ製）
以上が中心となっています。
ただタイヤ交換を行うためだけではなく、愛車を良い状態に保つためにも適切なサイズのホイールナット用ソケットをぜひ使ってみてください！
