お仕事現場だけでなく、DIYでの製作でも広く使われるようになった「電動工具」。
電動によるパワー、スピードアップが期待でき、また用途に応じて必要な機能のものを選べるのでプロ・アマチュアに限らず持っておきたい工具です。
しかしながら「用途に応じて」といわれても結局どれを使えばいいのかと悩むことはありませんか?
個人的に「電動ドリルドライバー」と「電動インパクトドライバー」と「電動インパクトレンチ」は名称が一部被っているし形も似通っているので初めて見る方にとってはどれがどれなのか分かりづらいと思います。
(実際は名称の混同もありますが)今回は勢いで買う前にチェックしてもらいたい3種類の電動工具を比較してみたいと思います。
電動ドリルドライバー
SK11 充電ドリルドライバー 14.4V
製品購入ページ電動ドリルドライバーは主に「穴あけ、小ビスのネジ締め」で使用する電動工具です。
今回ご紹介する電動工具はいずれも先端工具(ビットなど)を取り換えてサイズの異なるネジ締め等に対応する事ができます。
その先端工具を取り換える際に、電動ドリルドライバーは「ドリルチャック」と呼ぶ部分を回転させ調整して固定します。
これによって太い穴を開けるドリルビットから細い穴を開けるドリルビットまで複数サイズのビットを使えるようになっています。
電動ドリルドライバーの特徴には締め付けトルクやスピードの調整機能が含まれている物があります。
作業の効率をアップしたいときは回転スピードを上げたり、また小さいネジの締め付けで過剰なパワーでねじ切れてしまわないようにクラッチ機構がついていて、ダイヤルの数字を変えることでトルクを抑えられるようになっています。
電動ドリルドライバーを使う際の注意点は、バッテリー容量が同じときに後述のインパクトドライバーなどと比べるとマックスパワーは高くないので、長いビス(コーススレッド)や大径の穴を開けるには若干不向きです。
同様に大きいサイズの六角ボルトの締め緩めもインパクトレンチなどと比べると不利なので「穴開け、ネジ締め」が作業の中心であるときに電動ドリルドライバーを選びましょう。
電動インパクトドライバー
SK11 充電インパクトレンチ 14.4V
製品購入ページ電動インパクトドライバーは主に「ネジ締め」で使用する工具です。
同じ作業は電動ドリルドライバーでも行えますが、ドリルドライバーとの大きな違いは内蔵する「ハンマー」と呼ばれる機構がある事です。
これは先端工具が回転する方向へさらにハンマーによって衝撃を加える事でより強力にネジを締めたり、また固く締まったネジを緩めたりする事ができます。
電動ドリルドライバーでは不向きと紹介したコーススレッドのような長いビスや六角ボルトでも効率よく締めていくことが可能です。
一方でこのハンマーによる衝撃があることで穴開け用のドリルビットなどは折れる場合があるので穴開け作業には不向きです。
また先端ビットを装着する部分は電動ドリルドライバーのようなドリルチャックではなく六角穴にビットを差し込んで使うようになっています。
先端ビットもこの六角穴に合った物からドリルドライバー向けの丸軸のものまであるのでビットを選ぶ際に注意してください。
電動インパクトレンチ
ボッシュ バッテリーインパクトレンチ
製品購入ページ電動インパクトレンチは主に「ボルトナットの着脱」で使用する工具です。
小ねじより径の太いボルトナットを効率良く回すために電動インパクトドライバーと同じく内蔵ハンマーの打撃によるパワーを加えて使用する事ができます。
内部構造は基本的にインパクトドライバーと同じですが、ボルトナット着脱が主な作業となるため、これを外す「ソケット」を取り付けられるように先端が四角の差込みになっています。
電動インパクトドライバーでも変換アダプターを使う事で同様にソケットを装着する事が可能ですがアダプター使用によって全長が伸びて狭い場所で使えないのと、回したいボルトのサイズが大きい場合にアダプターやインパクトドライバーの負担も増えるといった不便な面もあるのでそのままソケットを装着できるインパクトレンチの方が作業効率も良いと言えます。
電動インパクトレンチ使用時の注意点は「インパクトレンチ専用ソケット」を使用してもらう事です。
高パワーでソケットが回転するため、ハンドツール用のソケットを使うとメッキ剥がれやソケット割れに繋がります。
メッキ剥がれやソケット割れを防止する専用ソケットがサイズも豊富に出ているので安全に作業するためにもソケット選びにも注意してください。
どの電動工具を選べばいいのか
電動ドリルドライバー、インパクトドライバー、インパクトレンチのどれを使えばいいのかは、各アイテムの項に記載した作業内容と照らし合わせてみてください。
もしやりたい作業と手持ちの電動工具が異なる場合や、万が一買い間違いがあったとしてもそれぞれ変換アダプターを用意して作業可能にする事もできるので、メインとなる作業から電動工具を選び必要に応じたオプションを用意すると一つの道具で作業の幅は一気に広がります。
ただしそれぞれのアイテムに対する注意点や不得意な分野もしっかり把握しておきましょう。
また今回は3種類の異なる電動工具の見分け方をテーマにしたので詳しく紹介しておりませんが、有線式かバッテリー式か、バッテリーの容量がどれ位あるか、独自の機能といった内容も加味して自分のやりたい作業にベストなものを選んでいきましょう。
まとめ
・電動ドリルドライバー、インパクトドライバー、インパクトレンチにはそれぞれの機能を生かした得意分野があるので、作業内容に合った物を選ぶ
・変換アダプターを駆使して様々な種類のビット、ソケットをさらに使えるようになるので本体と合わせて用意すると作業効率が良くなる
それぞれの名称だけで判断すると分かりづらいので、今回ご紹介した各モデルの形状や特徴をまずは確認してみてください。