タップの種類と使い方〜用途別4つのタップとその違い〜

ボルトが通るネジ山を切るタップ。

・・・ですが
ネジ穴が潰れた!困った!
そんな時にネジ山の修正に使うのもタップです。

そんなタップにも種類があって、それぞれ用途別に合わせて特徴があります。

初心者DIYの方からプロの方まで絶対に知っておくと役に立つ、
用途別4種類のタップの違いと選び方を紹介します。

ネジ山を切るタップ、でもそのタップにも種類がありまして、大きく分けて4種類のタップがあります。
1)ハンドタップ
2)ポイントタップ
3)スパイラルタップ
4)溝なしタップ(転造タップ)
このタップをどう使い分けるか?そのタップの特徴をご紹介します。

ハンドタップ

読んで字の如く、手動でタップを立てる時に使うタップです。
なので、生産工場で量産品にというのではなく、保全だったり、試作品だったり数の少ない作業などに使います。

使い方はこちらのブログで紹介していますのでご覧ください

このハンドタップは4つの溝(小径のM6までは3溝)があり、その溝に切り粉を抱え込むようになっています。
なので、通り穴も止まり穴もどちらにも使えるというのが特徴です。
しかし、量産品の機械での加工には向きません。手でネジを立てるあくまでもハンドタップなのです。
手動で新しいネジ山を立てたり、既存のネジ山の修正に使ったりします。

ポイントタップ

こちらは通り穴用のタップです。

一見、ハンドタップと同じ縦に溝がありますが、3つ溝(M2.6までは2つ溝)で、先端の食い付きは5p(先端の山が5山削れている)となっています。
そして、このポイントタップは、ハンドタップとは違い切り粉を下に落とす構造になっています。先端の形状がハンドタップと違い溝にもう一つ切込みが入っていますよね、削った切り粉はこの溝を滑って下に落ちるようになっています。なので通り穴用なのです。
(タップの先端が尖っていますが、これは製造する時のセンター出しの為です)

また、ハンドタップではないので、基本は機械で量産品の製造に使うタップです。

スパイラルタップ

個人的にはこのねじれている感じが好きです。。。

と個人的な感情は入れずに、この溝がねじれて作られているにはちゃんとした理由があり、切った切り粉がこの溝を沿って上に上がってくるようになっているのです。
つまり、これは止まり穴用のタップなのです。
だって、止まり穴で切り粉が下に落ちたら困りますよね、なので止まり穴用には切り粉が上に上がってくる、このスパイラルタップを使います。

また、これも機械で量産品の製造に使用するもので手動用ではあまり使いません。
というのも止まり穴用なので、奥までネジを切る必要があります。なので食い付きが1.5P(先端の山が1.5山削れている)となっています。1.5山しか削れていないとなると手動でまっすぐにネジ山を立てるのはちょっと難しいのです。

また、手動で止まり穴の修正をするのでしたら、ハンドタップの先(1番)タップ、もしくは中(2番)タップの方でいいかと思います。
ネジ山が痛むのはネジの入り口で、止まり穴の場合、奥の方は痛んでいません。
もし、奥まで傷んでいる場合は新規のタップを立てるのと一緒のやり方でこちらの記事を参考にしてハンドタップを順番に使ってください。

溝なしタップ(転造タップ)

これは、今まで紹介した切削してネジ山を作るものに対して、切るのではなくネジ山を盛り上げてネジを作るタップで切り粉が出ないのが特徴です。

画像はOSGさんよりお借りしました

なので、アルミなど柔らかい材質用に使われます、厳密に言えばスチール用もありますが、硬い材質向きではありませんし、手回しで使う工具ではなく、専門性の高いタップです。
このタップにも通り穴用と止まり穴用があります。

まとめ

ひとえにタップと言っても作業目的など用途に合わせて色々なタップがあります。
僕みたいに、スパイラルタップの形が好きだからと、そんな理由で選ぶのではなく、使用目的に合わせてお選び下さい。
そして、ネジ山はちゃんと切らないとボルトのガタ付きにもつながりますので、いいタップを使って正しく使ってください。